大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)3687号 判決

被告人 金外沢

〔抄 録〕

一、論旨第一点について。

原判示第二の事実は所論のごとく所持禁止罪であるから覚せい剤取締法第一四条第一項第四一条第一項第二号を適用すべきものであるのに、原判決書には所論のごとく同法第一五条第一項第四一条第一項第二号を適用したことに記載されている。然し犯罪事実の摘示が所持禁止罪となつており、罰条を同法第四一条第一項第三号を適用しないで同項第二号を適用しているところを見れば原判決では第一四条を適用したのではあるが、判決書を作成するとき誤つて第一五条と書いたものと思われるのである。論旨は理由がない。

二、同第二点について。

原判示第二事実の原末約七瓦余は所論の証拠等により所論のごとく判示第一の製造に使用した残品であると認められる。然し刑法第五四条後段の手段結果の関係は犯人の主観によるべきでなく客観的に行為の性質から見て決すべきである。そして同条所謂手段とはある犯罪の性質上通常その手段として用いらるべき行為でなければならぬのに、所謂原末(フエニルメチルアミノプロパン塩酸塩)は通常製造の為に所持するとは限らない。販売運搬等の為に所持する場合も多いと思われる。従つて所論のような場合でも併合罪であると見るべきが相当である。原判決には所論のような誤りはなく論旨は理由がない。

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